
台風の襲来
12月下旬、静かな冬の日々が続いていた。クリスマスを前に、まるやまスーパーは季節の飾りつけで彩られ、「まるっとクリスマスマルシェ」の準備も佳境を迎えていた。
美咲は東京から戻り、陽介と「まるっと農園」の企画書の最終確認をしていた。彼らの関係は仕事を超え、互いのかけがえのない存在となっていた。
「このプレゼン資料で西川さんを説得できると思うよ」
陽介は自信をもって言った。西川融資担当者との面談は来週に予定されており、「まるっと農園」への融資を取り付けることが目標だった。
「ありがとう。あなたのサポートがなかったら、ここまで来られなかったわ」
美咲が微笑む中、彼女のスマートフォンが鳴った。天気予報アプリからの緊急警報だった。
「台風?この季節に?」
陽介も驚いた様子でスマートフォンを確認した。
「気候変動の影響か…冬の台風が増えてるんだよね」
警報によると、異例の冬の台風が急速に発達し、48時間以内に町を直撃するおそれがあるという。風速は最大で35メートル、降水量は300ミリを超える可能性もあった。
「これは…深刻かもしれない」
美咲は急いでスタッフを集め、緊急対策会議を開いた。
「最悪の事態に備えて、準備を始めましょう」
まるやまスーパーは町の北東部、小さな丘の麓に位置していた。過去の水害では浸水を免れてきたが、今回の台風は例年にない規模が予想された。
美咲は役割分担を行った。
「森本さんは商品の高所移動を指揮してください。健太くんは店舗の補強と窓の養生を。山田さんは常連客への連絡と必要な商品の確保を。私は全体の調整と関係機関との連絡を担当します」
それぞれが行動を開始する中、美咲は新たな発想を提案した。
「今回の危機対応でも、TOCの考え方を活用できるはずです。まず『制約』を特定しましょう」
彼らが特定した制約は以下の通りだった。
- 時間(準備可能な時間は約36時間)
- 人材(現在動員可能なスタッフは10名程度)
- 資材(防水シート、土嚢などの防災資材が限られている)
- 情報(正確な被害予測が困難)
「これらの制約の中で、最も重要なのは何でしょうか?」
全員で議論した結果、「時間」が最大の制約だと判断された。限られた時間の中で、最も効果的な対策を講じる必要があったのだ。
「時間の制約を最大限活用するには、何をすべきでないかを明確にすることも重要です」
美咲はホワイトボードに「優先事項」と「後回しにする事項」の二つの列を作った。
優先事項:
- 人命の安全確保(スタッフ、顧客)
- 重要な設備・商品の保護
- 緊急連絡網の確立
- 近隣住民との協力体制
後回し:
- クリスマスマルシェの準備
- 新規プロジェクトの計画
- 通常の営業活動
「限られた時間で最大の効果を上げるために、全力を集中しましょう」
店内では、商品の移動と設備の保護が始まった。冷蔵庫やレジなどの電子機器は高所に移動され、窓には養生テープが貼られた。重要書類はビニール袋に密封され、高い棚に保管された。
地域住民も台風対策に追われていた。年配の常連客からは不安の声も聞かれ、山田を中心に「御用聞きチーム」が電話連絡と必要品の届け出しを行った。
「小林さん、何か必要なものはありますか?」 「一人で大丈夫ですか?ご親戚に連絡されました?」
こうした対応の中、美咲はSNSを活用して地域への情報発信も行った。まるやまスーパーの公式アカウントから、台風情報や準備のヒント、緊急時の連絡先などを共有した。
「私たちのできる限りのサポートをさせてください」というメッセージは、多くの地域住民に共有された。
台風接近前夜、美咲と陽介は店舗での最終確認を終えた後、彼の農園の対策も手伝った。ビニールハウスの補強や収穫可能な野菜の緊急収穫などを行い、深夜近くまで作業は続いた。
「これで、できる限りのことはやった…」
疲れ切った二人は、互いの手を握りしめた。あとは台風の通過を祈るだけだった。
被災の現実
台風は予想を上回る勢力で町を直撃した。
美咲は店舗近くの自宅二階で、一晩中台風の猛威を見守っていた。風の唸りと雨の音が激しく、時折家が揺れるのを感じた。
明け方、ようやく風雨が弱まった頃、美咲は店舗の状況を確認するため外に出た。
町は一変していた。道路は冠水し、倒木や飛散物が散乱していた。電柱が傾いている箇所もあり、電気は完全に途絶えていた。
「まるやま…」
店舗に近づくにつれ、美咲の胸が締め付けられた。周辺は完全に冠水しており、茶色い濁流が膝の高さまで達していた。
長靴を履いて慎重に近づき、店内の様子を確認すると、最悪の状況が広がっていた。浸水は30センチほどに達し、商品棚の下段は完全に水没。電気系統も被害を受け、冷蔵・冷凍設備はすべて停止していた。
「ああ…」
森本が到着し、言葉もなく店内を見つめていた。その表情には深い悲しみが浮かんでいた。
「30年以上ここで働いてきたが…こんな光景は初めてだ」
健太も到着し、三人で簡単な被害確認を行った。
「冷蔵設備がすべてダメージを受けています…」 「在庫の約40%が水没しました…」 「レジシステムも起動しません…」
数字が明らかになるにつれ、復旧の困難さが浮き彫りになった。
美咲は静かに言った。
「一旦、全員に連絡を。今日は店舗の片付けと被害確認に集中しましょう」
陽介からも連絡があった。彼の農園も被害を受け、ビニールハウス一棟が倒壊、作物も多くが水没したという。
「大丈夫?」美咲が心配そうに尋ねると、陽介は疲れた声で答えた。
「なんとか…でも、かなりの被害だよ」
町全体が混乱する中、美咲は冷静さを保とうと努めた。しかし、店内を歩きながら、彼女の心には深い絶望感が広がっていた。
「この状況から…どうやって立ち直れば…」
数ヶ月間の努力が、一夜にして水に流されたようだった。「まるっと」の計画も、台風の被害で大幅な見直しが必要になるだろう。
スタッフたちが次々と駆けつけ、黙々と片付けを始めた。言葉少なに、水を掻き出し、泥を掃き、被害状況を記録していく。
昼過ぎ、美咲は一人、店の裏手に立ち、深いため息をついた。
「どう報告すれば…」
父親や東京の関係者、そして西川融資担当者…彼らにこの状況をどう伝えればいいのか、言葉が見つからなかった。
そのとき、彼女の脳裏に、高橋教授の言葉が浮かんだ。
「制約は問題ではなく、システムを管理するためのレバレッジポイントだ」
「でも、こんな状況で…何がレバレッジポイントになるっていうの?」
美咲は虚空に向かってつぶやいた。
SNSでの発信
店舗の片付けが一段落した夕方、美咲は疲れた顔のスタッフたちに感謝を伝えた。
「今日は本当にありがとうございました。明日も引き続き復旧作業を…」
そこまで言って、美咲は言葉を詰まらせた。彼女自身、明日からどうすればいいのか、明確な見通しが立っていなかったのだ。
「美咲さん、無理しないでください」健太が優しく言った。「私たちはチームです。一緒に乗り越えましょう」
スタッフが帰った後、美咲は陽介と二人、停電で暗くなった店内でランタンの灯りだけを頼りに座っていた。
「どうしたらいいと思う?」美咲が小さな声で尋ねた。
陽介はしばらく考えてから答えた。
「正直に状況を伝えることから始めてみては?隠すことも、美化することもなく」
「正直に…」
美咲はスマートフォンを手に取った。幸い、モバイル回線は復旧していた。彼女はまるやまスーパーのSNSアカウントを開き、投稿を始めた。
「台風による被災状況のご報告」
彼女は率直に現状を伝えた。被害の状況、復旧の見通しの不透明さ、そして何より、自分自身の不安と迷いを包み隠さず記した。
「私たちは今、途方に暮れています。しかし、地域の皆様の食を支える使命があります。どうか知恵とお力をお貸しください。一日も早く営業再開できるよう、スタッフ一同、全力を尽くします」
写真も数枚添付した。水に浸かった店内、泥だらけになった商品棚、そして黙々と掃除するスタッフたちの後ろ姿。
「投稿していいのかな…こんな弱気な」
「いいと思うよ」陽介が静かに言った。「誰だって完璧じゃない。困難な時こそ、本音で語ることが大切なんじゃないかな」
美咲は深呼吸し、投稿ボタンを押した。
「これでいい…少なくとも、自分の気持ちに正直になれた」
二人は疲れ切って、その夜は早めに休んだ。
翌朝、美咲が目を覚ますと、スマートフォンの通知が溢れていた。昨夜の投稿に対して、想像を超える反響があったのだ。
「まさか…」
彼女は驚きと感動で目を見開いた。
地域との絆の発見
「美咲ちゃん、お店に人が集まってるよ!」
朝8時、美咲の母が慌てた様子で声をかけてきた。
急いで店舗に向かうと、そこには信じられない光景が広がっていた。
30人ほどの地域住民が集まり、長靴を履き、手袋をはめ、各自で清掃道具を持参していた。老若男女問わず、皆がまるやまスーパーの復旧を手伝うために集まっていたのだ。
「みなさん…なぜ?」
小林みどりさんが前に出て説明した。
「SNSで状況を知ったのよ。まるやまさんがなくなったら、わたしたち困るもの。だから、みんなで力を合わせようって」
美咲は言葉を失った。彼女のSNS投稿が、地域全体に広がり、自発的なサポートの輪を生んでいたのだ。
「本当に…ありがとうございます」
美咲は深く頭を下げた。陽介も駆けつけ、状況に感動した様子だった。
「みんな、集まってくれたんだね…」
作業は組織的に進められた。地元の建設会社社長が指揮を取り、効率的な清掃と片付けが行われた。若者たちは重い家具や設備を動かし、主婦たちは商品の仕分けや清掃を担当。年配者は休憩所で飲み物や軽食の準備をした。
美咲や健太、森本たちは、知識を活かして必要な指示を出しながらも、主に住民たちの活動をサポートする役割に徹した。
昼頃には、さらに多くの人々が集まっていた。近隣の個人商店主たちも駆けつけ、自分たちの店の復旧よりもまるやまの復旧を優先してくれる姿に、美咲は胸が熱くなった。
「なぜ、こんなにしてくれるんですか?」
美咲が理髪店の大岡さんに尋ねると、彼は当たり前のように答えた。
「まるやまは単なるスーパーじゃないからさ。うちの親父の代から、この町の中心だったんだよ。それに…」
彼は少し照れたように笑った。
「美咲さんたちが最近やってきた『朝採れ朝市』や『まるっとマルシェ』で、この町に活気が戻ってきたんだ。それを守りたくてね」
SNSでの拡散は地域を超え、東京の美咲の知人たちにも届いていた。江口からは励ましの電話があり、広告代理店の同僚たちからも支援金が集まっていた。
さらに驚いたのは、陽介の農園にも多くのボランティアが集まっていたことだ。
「『まるっと農園』の計画を知ってる人たちが来てくれたんだ。『このプロジェクトを絶対に実現させたい』って言ってね」
二日目の夕方、美咲は改めて集まってくれた人々に向かって挨拶をした。
「みなさんのおかげで、想像以上の復旧が進みました。私たちは…」
彼女は一瞬言葉に詰まった。
「私たちは一人じゃなかったんですね。このコミュニティの一部として、皆さんとともに歩んでいたんだと実感しています」
その言葉に、多くの人が頷いた。
森本が小さな声で美咲に言った。
「これが『地方の強み』だよ。人と人とのつながりが、都会より濃いんだ」
美咲は深く頷いた。この数日間で、彼女は「地域との絆」という、数字では測れない価値を再発見していた。そして、その絆こそが、最大の資産なのだと気づいたのだ。
保険と融資の壁
復旧作業が進む中、現実的な壁も見えてきた。美咲は西川融資担当者と店内で向き合っていた。
「正直に申し上げると、厳しい状況です」
西川は冷静に分析した。
「保険では、被害の約60%しかカバーできません。残りは自己資金か融資で対応する必要があります」
美咲はノートに書き出した。
「冷蔵・冷凍設備の更新に約500万円、商品棚と内装工事に300万円、在庫の補充に200万円…」
合計すると、保険適用後も約400万円の資金が必要だった。
「まるやまの現預金は約150万円…残り250万円が不足します」
西川は難しい表情を浮かべた。
「追加融資については…正直、厳しいと言わざるを得ません。既存の借入金もあり、担保余力も乏しい状況です」
美咲は予想していた回答だったが、それでも胸が締め付けられる思いだった。
「しかし…」西川が続けた。「個人的には、まるやまスーパーの地域における価値は十分理解しています。一つ提案があります」
彼が示したのは「地域支援型融資」という新しい仕組みだった。地元の信用金庫が、地域の重要インフラを支援するための特別プログラムで、通常よりも条件が緩和されているという。
「ただし、地域住民からの推薦状や、地域経済への貢献を示す資料が必要です」
美咲は少し希望を見出した。
「この数日間のボランティア活動や、SNSでの反応…それらは地域からの『推薦』と言えるでしょうか?」
「十分な材料になると思います」西川は頷いた。「私も審査会で力説します」
二人は具体的な申請手続きについて話し合った。その過程で、美咲は「まるっと」設立計画と融資申請を関連づける案も浮かんだ。
「台風被害をきっかけに、当初の計画を見直すのはどうでしょうか。『まるやま』の復旧と同時に、『まるっと』の第一フェーズを始動させる…」
西川は興味を示した。
「具体的には?」
「例えば、冷蔵設備の更新と同時に、『まるっとキッチン』を拡充する。被災した棚の代わりに、地元産品専用コーナーを新設する…」
二人のディスカッションは建設的なものとなり、「危機をチャンスに変える」可能性が見えてきた。
帰り際、西川は美咲に言った。
「城山さん、この数日間のあなたの対応を見ていて感心しています。特に、正直に状況を伝え、助けを求める勇気…あれが多くの人の心を動かしたのだと思います」
美咲は静かに頷いた。
「ありがとうございます。私自身、大きな学びがありました」
西川が去った後、美咲は再建計画を練り始めた。単なる「元通りの復旧」ではなく、この機会に店舗の一部をリニューアルし、「まるっと」構想の一部を前倒しで実現することを考えた。
陽介も加わり、二人は夜遅くまで計画を練った。
「この台風は大きな試練だけど、同時に私たちの強みを再確認するきっかけにもなったね」陽介が言った。
「そうね…『地域との絆』『人と人のつながり』…それが私たちの最大の資産だったのよ」
美咲は窓の外を見つめた。夜空に星が見え始めていた。台風一過の清々しい空気が流れていた。
「制約を武器に変える…今回の制約は『被災』という現実。それを武器に変えるには…」
「地域と共に再建する。それが答えだね」
陽介が静かに言った言葉に、美咲は深く頷いた。
復興への道のり
台風から一週間が経ち、まるやまスーパーは限定的ながらも営業を再開した。
店内の半分は依然として工事中だったが、残り半分では最低限の商品が並べられ、「まるっとキッチン」も簡易的に再開していた。
再開初日、美咲は店の入口に立ち、来店する一人ひとりに感謝の言葉を伝えた。
「ありがとうございます。皆さんのおかげで再開できました」
多くの常連客が励ましの言葉をかけてくれた。
「まるやまがなくなったら困るわ」 「頑張ってね、応援してるよ」 「美咲ちゃん、無理しないでね」
特に印象的だったのは、普段はあまり買い物に来ない若い世代の来店が増えていたことだった。
「SNSを見て来ました。何か力になれることがあれば…」
地域全体が「まるやま」を支えようとする雰囲気に包まれていた。
美咲は西川からも朗報を受け取った。「地域支援型融資」が審査を通過し、必要資金の調達のめどが立ったのだ。
「審査会では満場一致でした。あなたのSNS投稿に対する地域の反応と、ボランティアの写真が決め手になりました」
工事の間も、「まるっとマルシェ」は店舗の駐車場で継続された。むしろ、台風後は出店者も来場者も増加していた。被災した個人事業主にとって、販売機会の確保は重要だったのだ。
「まるっと」の計画も修正され、より地域密着型の内容に発展した。特に「まるっと農園」は、単なる農業体験施設から、「地域防災」「食の安全保障」の要素も取り入れることになった。
「台風のような災害時にも、地域の食を支えられる仕組みを作りたい」
陽介のこの提案に、多くの地域住民が賛同した。特に高齢者からは「安心感」を評価する声が多く聞かれた。
復興過程で、美咲は改めてTOCの考え方を活用した。
「制約の中での最適化」として、工事中の限られたスペースでの商品レイアウトを見直し、最も需要の高い商品を優先的に陳列。「スループット」の視点から、少ない商品でも利益を確保できる仕組みを工夫した。
また、「ドラム・バッファ・ロープ」理論を応用し、工事の進捗管理にも取り入れた。重要な工程(ドラム)を特定し、その前後に時間的余裕(バッファ)を設け、全体の流れ(ロープ)を調整するという方法だ。
こうした取り組みにより、当初予定より2週間早く、全面的な営業再開が実現した。
再開セレモニーは、地域の祭りのような雰囲気だった。町長も来賓として駆けつけ、テープカットが行われた。
「まるやまスーパーの復活は、この町の復活の象徴です」
町長のスピーチに、集まった人々が拍手を送った。
美咲は壇上から、支援してくれた全ての人々に感謝の言葉を述べた。
「この台風は、私たちからたくさんのものを奪いました。しかし同時に、かけがえのないものも与えてくれました。それは、地域との絆です」
彼女は続けた。
「私たちは今日から、新しい『まるやま』として歩み始めます。単なるスーパーマーケットではなく、地域と共に成長し、地域の困りごとを解決する『場』として。そして、この経験を活かした『まるっと』プロジェクトも、皆さんと一緒に育てていきたいと思います」
拍手の中、美咲は感謝の気持ちを込めて深々と頭を下げた。
店内には、「感謝の壁」と名付けられた特別なコーナーが設けられた。そこには、支援してくれた全ての人々の名前と、復興過程の写真が飾られていた。
「忘れないために」美咲はそう言って、このコーナーを作ったのだ。
セレモニーの後、美咲と陽介は静かに店の裏手に立っていた。
「大変だったね…」陽介が美咲の肩に手を置いた。
「ええ。でも、この経験は私の人生で最も貴重なものになったわ」
美咲は空を見上げた。
「高橋先生が言っていた言葉を思い出したの。『制約は問題ではなく、システムを管理するためのレバレッジポイントだ』って」
「その通りだね」
「台風という制約が、私たちと地域の関係を一気に深めた。それはお金では買えない価値だった…」
二人は言葉を交わさず、しばらく静かに立っていた。冬の澄んだ空気の中、新たな挑戦への覚悟と期待が芽生えていた。